船マニアの友人から頂いた、とある造船所のOLD Diesel Engine のBrochureがカッコよくて、ちょっと拝借いたしました。次のページが透けるように、Tracing Paperが用いられています。うーんカッコいい!!
細かい部分は今の大型2 Stroke Diesel Engineと若干違いますが 、基本形は今も変わりません。
このEngineが生産されていたのは1950年代と思われます。
ちょっとマニアックな話になりますが、掃気方法は、Cross Scavenging方式、現在主流のUniflow Scavenging 方式とは違います。Cross Scavengingなので、Exhaust Valveは無く、Cylinder Line下部に位置が若干違う掃気Portと排気Portがありますね。
また過給機(Turbo)や電動Aux Blowerは無く、Cross Headの上下動をLinkで伝えて、Scavenge pumpを動かし、掃気をCylinder内に送り込んでいます。
PistonはSkirtが長く、今のPiston形状とは大きく違いますね。Piston RodとStuffing Boxが無く、その代わりが長いPiston Skirtになります。
右は操縦Stand にです。大きいDialはTelegraphです。BridgeからEngine Roomまで、操縦指令を伝える、装置です。Selsyn Motor (Synchro Motor)の原理を利用しています。真ん中の小さいGaugeは回転計ですね。
Handle は右側が、Fuel Oil Index すなわち燃料投入量=回転数制御Handleになります。Fine Adjust(微調整)用のDialが付いています。そうなると左側は、前進<>後進切替兼Starting Air Handleですね。
大型2 Stroke 機関の前後進切替は、機関停止時、すなわち Stop Engine の状態で、Cam Shaftを切替ます。Cam Shaftを切り替えることにより、Firing Order (Cylinder 着火順序)を切り替ることにより、逆転します。例えば、
1>5>3>4>2>6の着火順序を
6>2>4>3>5>1に切り替れば逆転します
Camが定位置に切替わった後に、Cylinderに圧縮空気が投入され、規定回転数まで上がれば、燃料運転に切り替えます。
今の舶用大型2 Stroke機関は電子制御が主流で、以前は機械的(Cam Shaft)に制御していた、排気弁開閉、燃料噴射は、現在油圧を用いて直接電磁弁にて電気的にControlしています。いたるところにCPUが入った制御基板が設置され、各基板がNetworkで繋がっています。理論的には、制御Networkを衛星通信と接続すれば、家のPCからも主機関制御できてしまいます。びっくりですよね。制御に関するParameterはすべて制御用基板に記録されており、機械的な調整はほぼありません。機械式Engineの場合は、調整はEngineerの腕の見せ所だったのですが、今はTouch Panel Monitorで数値を変更するだけ、なんだか寂しい気持ちがします。
まじめな、舶用大型機関の説明になってしまいましたね。もし、続編ご希望であれば、Comment欄にお願いします。もう少し解説ネタはああります。
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